宇都宮協立診療所の実践が全国表彰
栃木民医連として初の受賞

宇都宮協立診療所の取り組みが全国表彰を受賞しました。
全日本民医連第47回定期総会において、栃木民医連として初めて発表部門での表彰を受けました。

受賞したのは、宇都宮協立診療所の演題「診療所で始めるグリーフケアカフェ」です。患者を看取った後もご遺族に寄り添い続ける取り組みが、全国の民医連の仲間から高く評価されました。

全国の研究・実践発表の中から表彰

2026年2月26日から28日にかけて開催された全日本民医連第47回定期総会では、全国から寄せられた研究・実践発表の中から優れた取り組みの表彰が行われました。

今回の表彰は、「第16回全日本民医連医療・看護介護活動研究交流集会表彰委員会」の規定に基づき選考が行われました。対象となったのは、論文部門2題、第16回看護・介護保険活動研究交流集会から2題、第17回学術運動交流集会など各県連推薦から54題で、これらの中から論文部門2題、発表部門6題の表彰演題が決定しました。

その結果、宇都宮協立診療所の演題「診療所で始めるグリーフケアカフェ」が発表部門で表彰され、栃木民医連として初めての受賞となりました。

 

全日本民医連第47回定期総会で行われた表彰式。宇都宮協立診療所の取り組みが発表部門で表彰されました。

 

 

ご遺族に寄り添う思いから始まった活動

宇都宮協立診療所では、訪問診療を中心に多くの在宅医療を行い、地域で患者を看取る場面も多くあります。患者が亡くなった後も、ご遺族へのお悔やみ訪問や電話などの支援を行ってきましたが、その後の生活の中でご遺族がどのように悲しみと向き合っているのか、十分に寄り添えているのかという課題がありました。

こうした中で、「患者さんの死後も、ご家族の思いに寄り添いたい」という思いから、2021年12月に医師・看護師・事務などの多職種でグリーフケアチームを結成。2022年3月から、ご遺族同士が思いを語り合える場としてグリーフケアカフェを開始しました。宇都宮協立診療所では約520名の訪問診療を実施しており、在宅での看取りも多いなかで、ご遺族支援の実践としてこの活動が積み重ねられてきました。

活動は決して順調なことばかりではありませんでした。参加者が少ない時期もあり、継続や運営方法に悩むこともありましたが、職員同士で学習会を重ね、他地域の取り組みからも学びながら工夫を続けてきました。ホームページでの案内や、関係機関への周知、亡くなって1年後のご遺族への手紙の郵送なども進め、現在では2か月に1回の定期開催を継続しています。ホームページを見て地域から参加する人も増え、宇都宮市外からの参加希望も寄せられるようになりました。

参加したご遺族からは、「ここに来て話すことが楽しみになった」「自分の気持ちと向き合うことができた」といった声が寄せられています。悲嘆を抱える人が孤立することなく思いを共有し、支え合う場として、地域の中で大切な役割を担い始めています。参加を重ねる中で表情が明るくなり、前を向いて進もうと思えたと語るご遺族もいらっしゃいます。

 

仲間への感謝と地域への思い

総会の表彰式では、活動に関わってきた職員から感謝の言葉が述べられました。

この取り組みは、ご遺族の思いに寄り添いたいという小さな思いから始まりました。決して順調なことばかりではありませんでしたが、職場の仲間の理解と協力が少しずつ広がり、診療所全体の取り組みとして続けてくることができました。

また、ホームページを見て参加してくれる地域の方が増えたことや、組合員も加わりながらセルフヘルプグループとして発展しつつあることが、活動を続ける力になっています。

最後には栃木弁で、チームの仲間と診療所のみんなへの感謝を伝える場面もあり、会場から温かい拍手が送られました。

民医連の理念を地域で実践する取り組み

今回の受賞は、宇都宮協立診療所の職員の努力だけでなく、地域の患者・家族、組合員、職員がともに支え合いながら築いてきた活動が評価されたものでもあります。

診療所でグリーフケアカフェを開催する強みとして、日々の医療実践の中で患者や家族の思いに耳を傾けてきた姿勢が活動に生かされていること、さらに必要時には医師をはじめとした専門職につなげやすいことが特徴です。今後は、参加者が主体となるセルフヘルプグループとして発展していくことも展望されています。

民医連が大切にしてきた「共同のいとなみ」は、医療や介護の現場だけでなく、人と人が支え合う地域のつながりの中で育まれます。グリーフケアカフェの取り組みは、まさにその理念を地域の中で形にした実践です。

栃木民医連ではこれからも、地域の人びとに寄り添いながら医療・介護・福祉の活動を広げ、安心して暮らせる地域づくりを進めていきます。

受賞演題

診療所で始めるグリーフケアカフェ
― 悲嘆に向き合い続けた2年間の活動から、今後の展望を考える ―