2026年 年頭集会を開催しました(宇都宮協立診療所・ふたば診療所)

はじめに
2026年1月7日、宇都宮協立診療所とふたば診療所で年頭集会が行われました。
新しい年のはじまりにあたり、職員・関係者が集い、昨年の実践を振り返るとともに、
地域医療・介護の役割、そして平和と人権の課題について思いを共有しました。
宇都宮協立診療所:関口医師の挨拶

宇都宮協立診療所の年頭集会では、理事長の関口医師から新年の挨拶がありました。
関口医師は、金子みすゞの詩「みんな違ってみんないい」を紹介しながら、
「多様性を認め合う」ことの大切さを、いまの社会状況と重ねて語りました。
近年、「私が苦しいのは誰かのせいだ」といった発想が広がり、人と人との分断が深まりやすい状況があります。
そのなかで医療生協は、国籍や立場の違いを越え、地域で暮らすすべての人の健康と暮らしを支える存在でありたいと語りました。
医療生協には国籍条項がないこと、無料低額診療事業を通じて制度のはざまで困難を抱える人にも寄り添ってきたことなど、
日々の実践が「排除ではなく、つながりをつくる力」になっていること。
文化や生活習慣の違いに戸惑うことがあっても、それは「知らなかったことを知るチャンス」でもあり、
出会いと学びを積み重ねる地域づくりが大切だと語りました。
宇都宮協立診療所:軽部医師の挨拶(人権と平和)

続いて軽部医師は、自身の名前にある「憲」という字に触れながら、
憲法、そして平和についての思いを語りました。
昨年、本部に「九条の碑」が建立されたことにも触れ、
平和を考え続けることが地域医療にとって欠かせない課題であると語りました。

軽部医師は、「人権が軽んじられると戦争につながり、戦争が起きれば人権が踏みにじられる」という循環を指摘し、そのことは世界の現実に表れている。
ガザをはじめ、医療そのものが成り立たない状況が起きていることに触れ、
「医療に携わる私たちが、平和と人権の問題から目を背けてはならない」と語りました。
また、日常の学習やカンファレンスを通じて社会情勢を学び続けることが、
患者さん一人ひとりに向き合う力になる――
そんなメッセージが共有され、会場にいる職員にとって背筋が伸びる時間となりました。
ふたば診療所:北岡医師の挨拶(実践の振り返り)

ふたば診療所の年頭集会では、北岡医師から昨年の実践を振り返る内容の挨拶がありました。
とくに、若い医師の合流や研修医受け入れなど、現場に新しい風が入り、
刺激を受け合いながら診療所の力が高まっていることが「嬉しかったこと」として語られました。
また、困難を抱える人への支援が増えるなかで、診療所だけで抱え込むのではなく、
包括支援センター、ケアマネジャー、ソーシャルワーカーなど多職種が連携し、
病気だけでなく生活全体に伴走する姿勢があらためて確認されました。
「悩みながらでも前に向かって、一緒に進んでいく」ことの大切さが語られました。
地域とのつながりでは、コロナ禍を経て形を変えながら再開した「ふたばフェス」について触れられました。
あいにくの天候でも交流が生まれたこと、今年はより地域に開かれた場づくりへ広げていきたいことなど、
前向きな展望が共有されました。
ふたば診療所:天谷医師の挨拶(地域の信頼と展望)

天谷医師からは、ふたば診療所の歩みと現在の状況について挨拶がありました。
少人数で始まった診療所が、今では多くの職員が関わる事業所へと成長してきた歴史を振り返りつつ、
全国的には医療・介護を取り巻く環境が厳しさを増している現実にも言及しました。
そのような状況のなかでも、地域の相談を断らず受け止め、困難な課題に向き合う姿勢を積み重ねてきたことが、地域からの信頼につながっている――という趣旨が語られました。
そして「患者さん、地域の方、職員も含め、みんなが幸せでいられる診療所でありたい」という言葉で締めくくられ、会場が大きくうなずく場面となりました。
平和の課題:医療・介護の土台として
両診療所の年頭集会を通して共通して確認されたのは、
「平和でなければ医療も暮らしも守れない」という認識でした。
戦争や分断が進む社会のなかで、医療・介護の現場は、
いのちと尊厳を守り、つながりを取り戻す役割を担っています。
昨年建立された「九条の碑」は、忙しい日常のなかでも立ち止まり、
平和について考えるきっかけとなっています。

診療報酬や物価高騰など現実の課題に向き合いながらも、
「戦争させない」「人権を守る」という視点を、地域医療の実践に結びつけていくことが、
今年の大切なテーマとして共有されました。
新しい一年に向けて

(ふたば診療所内 デイルームに設置されたふたば神社をみんなで参拝)
2026年のスタートにあたり、宇都宮協立診療所とふたば診療所は、
地域の中で果たす役割をあらためて確認しました。
多様性を認め合い、困難を抱える人に寄り添い、
平和と人権を大切にする医療・介護を、地域のみなさんとともに築いていきます。
本年も、両診療所の取り組みに、あたたかいご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
