医学部奨学生学習会
― 水俣病から学ぶ、公害は終わっていない ―

2025/11/4、医学部奨学生学習会を開催しました。今回は「水俣病」をテーマに、
新潟水俣病に関する映像を視聴し、参加者同士で感想を共有しました。
参加した学生からは「水俣病は過去の話ではなかった」「医療者として関わり続けたい」との声が寄せられました。

水俣病とはどんな病気?

水俣病は、有機水銀による中毒性の公害病です。1956年に熊本県水俣市で最初の患者が確認され、
1965年には新潟県阿賀野川流域でも発生しました。工場排水に含まれたメチル水銀が川や魚を汚染し、
それを食べた人々が中毒を起こしました。被害は長期にわたり、裁判や差別・偏見の問題も続いています。

今回の学習で気づいたこと・発見したこと

水俣病は過去の公害だと思っていたが、現在も裁判が続いており、
つらい思いをされている方々が多くいるとわかった。

水俣病の被害を受けた方は、ただ「熊本や新潟に住んでいた」というだけで被害に遭われた。
自分の家族が被害に遭っていたかもしれないと思うと、他人事ではないと感じた。

明らかな公害患者でありながら、差別や偏見を受け、
裁判でも厳しい闘いを強いられているという現実を知った。
今なお続く問題で、PFASなどの環境汚染と重なる部分もあり、
医療者として関わり続けたいと思った。

水俣病などの公害は「終わっていないこと」を実感した。

全体を通しての感想

教科書では「国が公害と認め、償った」と学んでいたが、
実際には被害が解決していないことがわかった。被害者の方々が少しでも早く安心できるようにと願った。

水俣病を通して、現在のPFASなどの環境問題を深く考えるきっかけになった。

新潟を訪れてからちょうど一年。改めて水俣病について学べて良かった。
現地の人の声を聞かないと気づけないことがたくさんあると感じた。

公害は過去のことではなく、今も日本の大きな問題であることに気づいた。
参加者も多く、活発な意見交換ができて良かった。

今後学びたいこと・取り組みたいこと

今回の学習を通して、過去の公害についてもっと知りたいと感じた。

皆で現地に行って、実際に学習したいと思った。

公害や環境汚染の問題は、過去の出来事ではなく、いまも続いている社会の課題です。
医療を学ぶ私たちがこの現実から目をそらさず、人々の健康を守る立場として
関わり続けることの大切さをあらためて感じました。