まちづくり委員が「つながるカフェ★カムカム」を視察
― 生協ふたば診療所の地域づくりの実践に学ぶ ―
2025年10月24日(金)、全日本民医連まちづくり委員会の皆さんが、
生協ふたば診療所と「つながるカフェ★カムカム」を視察されました。
当日は、鈴木事務長と諏訪看護師長から、地域とともに歩んできた4年間の経過と現在の取り組みについて紹介があり、後半は実際の現場を見学していただきました。

◆高齢化地域のなかで育まれた「つながりの場」
生協ふたば診療所が位置する宇都宮市南部・緑が丘地区は、高齢化率34%を超える地域です。
医療・介護・福祉の多職種が連携し、住民が安心して暮らし続けられる仕組みづくりを進めてきました。
鈴木事務長は「日々の外来対応の中で、孤立や生活困難を抱える方と出会うことが多い。
そんな方に寄り添える“居場所”をつくりたいという思いから、社会福祉法人ふれあいコープさんと協力して
『つながるカフェ★カムカム』を始めました」と語りました。

◆ 子どもも大人も一緒に過ごせる、まちの保健室
「カムカム」は2022年10月にスタート。
火曜日は高齢者を中心とした「サロン」、金曜日は「子ども食堂・学習支援」として開かれています。
元教員ボランティアや地域のお母さんたち、介護職員などが協力し、誰もが立ち寄れる“まちの保健室”のような場として成長してきました。
諏訪看護師長は「子どもが食べて笑い、歌や体操で笑い合う。そんな日常の中に、医療や福祉につながる芽が生まれていく。
ここでは“誰かのためにできること”が自然と生まれる」と語りました。

◆ 場所が変わっても、思いは変わらない
2024年冬、活動拠点の建物を返還することに。
大きな転機を迎えましたが、「中断させないで続けたい」という職員の強い思いから、
2025年2月より診療所2階のデイルームで再開しました。
現在は月2回の開催となり、外来患者さんにも案内しやすくなりました。
食材提供には栃木コープが協力し、地域住民が自発的に立ち上げた「みどり会」など、
新たな交流の輪も広がっています。

◆ “ケアする人”も支えられる場へ
カムカムは、地域の方々だけでなく、働く職員にとっても学びと癒やしの場となっています。
外来で出会った患者さんがカムカムをきっかけに社会的孤立から回復したり、
職員の家族がボランティアとして関わるなど、温かなつながりが広がっています。
諏訪看護師長は「場所が変わっても目的は同じ。
何気ない会話の中から、その人の困りごとを拾い上げ、支え合うことができる。
それが今のカムカムの姿です」と締めくくりました。

◆ まちづくり委員からの感想
視察後には「診療所が“病気でなくても行ける場所”になっているのが素晴らしい」、
「職員一人ひとりが誇りを持って活動している」など、感想が寄せられました。
地域に根ざし、人と人とのつながりから健康を守る実践。
それが生協ふたば診療所の「つながるカフェ★カムカム」です。

◆ 開催情報
- 開催場所:生協ふたば診療所2階 デイルーム
- 開催日:毎月第2・第4金曜日
- 内容:子ども食堂・学習支援・地域交流
- 運営:生協ふたば診療所
