高校生8名が模擬面接に挑戦 医療者への第一歩を踏み出す

目次

模擬面接の概要

10月4日(土)、栃木県医療生活協同組合本部「虹の杜」にて、高校生を対象とした模擬面接会が開催されました。医師・看護師・薬剤師など医療系学部を志望する8名の高校生が参加し、個人面接とMMI(マルチプル・ミニ・インタビュー)形式の模擬面接を体験しました。

前半は2対1形式の個人面接を実施。面接官を務めたのは、医療職の4名です。後半は1対1形式のMMI面接を行い、コミュニケーション能力や倫理的判断力、チームワークなど、多面的な力を試す内容となりました。

 

緊張と成長の一日

面接の冒頭、学生たちは緊張の面持ちで「失礼いたします」と入室。面接官からの質問に真剣に答え、自分の思いや将来への決意を言葉にしていきました。面接後にはその場で講評が行われ、「声のトーンが落ち着いていて聞き取りやすかった」「自分の経験をもう少し具体的に話すと伝わりやすくなる」など、丁寧なフィードバックがありました。

 

MMI形式の面接では、短時間で異なる質問に対応する力が求められました。「医療におけるチームワーク」「ストレスへの対処」「失敗からの学び」など、実際の医療現場を意識した内容に、高校生たちは考えながら自分の言葉で答えていました。初めての形式に戸惑いながらも、回を重ねるごとに表情が柔らかくなり、互いに励まし合う姿も見られました。

 

面接官からのメッセージ

面接終了後には、試験官から温かいエールが送られました。看護部長からは、「面接は落とすための場ではなく、あなたたちの良いところを見つけるための場です。自分の弱みを正直に話し、そこからどう成長しようとしているかを伝えられることが大切です」と語りました。

また、生協ふたば診療所の看護師長からは、「緊張の中でも自分の言葉で思いを伝えた経験は、必ず本番につながります。面接官は皆さんの良いところを聞きたいと思っています。自信を持って臨んでください」と励ましました。

専務理事からは、「皆さんが医療者として働く頃、私はもう患者になっているかもしれません。そのとき頼れる存在になってくれることを楽しみにしています」と語り、会場を温かな笑いで包みました。

 

参加高校生の声

参加した高校生からは、「本番のような緊張感の中で面接ができてとても良い練習になった」「面接官の方々が優しく、答えやすい雰囲気をつくってくださった」「具体的なアドバイスをもらえて、自分の改善点が明確になった」などの声が寄せられました。

また、「何回か模擬面接を通して言い方を学べたり、自分の考え方を見つめ直すことができました」「初対面の方々と練習できて良い刺激になった」といった感想もあり、短い時間の中でも大きな成長を感じ取ることができたようです。

 

次の一歩へ

最後には、栃木民医連の奨学金制度や医学生・看護学生の学習活動について紹介がありました。奨学生として学びながら地域医療に関わる先輩たちの姿を紹介し、「医療者として働く未来を一緒に描いていこう」と呼びかけました。

今回の模擬面接を通して、高校生たちは「自分の言葉で伝える力」「他者の意見を受け止める姿勢」「医療を志す動機」を改めて考える機会となりました。緊張の中にも笑顔があふれた一日。参加者それぞれが、自分の進路と向き合い、医療の道への第一歩を確かに踏み出しました。

栃木民医連では今後も、地域医療を担う次世代の育成を目的に、高校生・医学生を対象とした進路支援や学習企画を続けていきます。