入職3年目研修レポート②|2日目 新潟水俣病と民医連の歩みを学ぶ
2日目のプログラム
研修2日目は、会場に集合して新潟水俣病と民医連の関りについて学びを深めました。
午前は2つの講演、そしてグループでの意見交換。
昼食をはさんで午後は、全員で学びを胸に帰路につきました。
講演① 星さんのお話
はじめに、星さんから「新潟水俣病と新潟民医連の取り組み」についてのお話を伺いました。
発生当初から地域の医療者がどのように患者さんを支え、行政や企業と向き合ってきたか。
資料とともに語られる歴史は、60年という長い時間を越えて、
「いま目の前の人にどう寄り添うか」という問いを私たちに投げかけていました
現在も続く裁判や支援の歩み、そして差別や偏見の壁を越えて患者さんに寄り添ってきた実践に、
参加者は真剣なまなざしで耳を傾けました。
医療は単なる診断や治療にとどまらず、人の尊厳を守る営みであることを改めて感じる時間でした。
講演② 患者さんのお話 インタビューアー酢山さん
続いて、患者会の酢山さんがインタビューアーとなり、
患者さんにお話を伺いました。
穏やかな語りかけに、患者さんがこれまでの人生や水俣病と向き合ってきた歩みを丁寧に語ってくださる――
その時間は、参加者にとって胸の奥に響くものでした
川とともにあった子ども時代、体に現れたしびれや耳鳴り、
認定申請や裁判に挑む中で抱えた想い…。
酢山さんの優しい問いかけに、患者さんの言葉が少しずつあふれ出し、
会場全体が共感に包まれました。
「同じ苦しみを次の世代に繰り返させない」という声に、
医療に携わる者としての責任と、聴く姿勢の大切さを強く感じました。
グループワークと感想共有
講演で心に残ったことをグループごとに語り合い、
「これから自分にできること」を考えました。
誰もが「学んだ知識を職場や家族に伝えたい」「偏見をなくすために一歩踏み出したい」と語り、
学びを行動に結びつける決意があふれていました
帰りのバスでのふりかえり
帰路のバスでは、参加者一人ひとりがこの2日間の想いを共有しました。
「被害は過去のものではなく、今も続いていると知った」
「身近な人に話していくことが私たちの役割だと思った」――
温かな言葉のやりとりから、仲間同士のつながりと、
未来へつなぐ使命感がにじんでいました
まとめにかえて
星さんと患者さん酢山さんのお話、そして仲間たちと分かち合った時間は、
これからの地域医療のあり方を見つめ直す、大切なきっかけになりました。
学びをそれぞれの現場に持ち帰り、小さくても着実な一歩を重ねていく――
そんな未来への希望を胸に、2日間の研修は幕を閉じました。