高校生医療体験が今年もスタートしました!

―― 宇都宮協立診療所・生協ふたば診療所・レインボー薬局で、県内高校生が医療の現場を体験


目次

はじめに

今年も、栃木県内の高校生を対象とした「医療体験プログラム」がスタートしました。
今回の会場は、宇都宮協立診療所・生協ふたば診療所・レインボー薬局の3カ所。医師・看護師・薬剤師の仕事を、実際の現場で見て・聞いて・考える1日体験となりました。
体験後には、職員との交流の場「話すぞタイム」も設けられ、高校生たちは現場のリアルや、医療者の思いにふれる貴重な学びを得る機会となりました。

 

 

医師体験:診察の向こうに“人”を見るまなざしを

宇都宮協立診療所では、診察の見学や映像視聴を通じて、地域に根ざした医療の姿に触れました。
医師が患者さんに笑顔で握手を交わしたり、世間話を通して背景を把握する姿に、生徒たちは感動。「病気だけでなく心のケアが大切で、会話ひとつで患者さんの心が軽くなる」と語る生徒もいました。

「診療所の温かい雰囲気は、職員の姿勢によってつくられている」「将来はこんな職場で働きたい」と、進路の決意を新たにする声も多く聞かれました。

 

看護体験:やさしさと観察力が光る仕事にふれる

生協ふたば診療所では、血圧測定や聴診器の体験、看護師との交流を通じて、看護の専門性と人間味にふれることができました。
「患者さんとの会話の中から状態や生活背景を把握していた」「将来の自分の姿がよりはっきり見えた」と話す生徒もおり、看護師という仕事への理解が深まりました。

「皆さんが親切に接してくれて、安心して体験できた」「ここで働きたいと思える職場だった」という声も多く、働く人たちの雰囲気の良さが高校生にも伝わっていました。

 

薬剤師体験:薬の知識と「人に寄り添う」まなざし

レインボー薬局では、薬の仕組みやピッキング作業を体験。「数ある薬から正確に取り出す作業の難しさに驚いた」「集中力とやさしさを使い分ける姿が印象的だった」との感想がありました。
また、「診療所全体の雰囲気は医療者の態度によって決まる」と気づいた生徒もおり、医療の現場づくりについても学びを深めた様子でした。

「体験を通して、薬剤師だけでなく医師にも関心が高まった」「ここで働きたいと思える場所に出会えた」と話す生徒もおり、医療職への進路選択の大きなきっかけとなったようです。

 

話すぞタイム:対話の中に“医療の本質”がある

午後には、医師・看護師・検査技師などの職員と一緒に座談会「話すぞタイム」を実施。
診療所の雰囲気の良さの理由、スタッフ間の関係性、医師の言葉の重みや患者への寄り添い方など、さまざまな話題が出されました。

「診察中に雑談を促すことで、患者さんの背景が見えてくる。そこからケアが始まるという考えに驚いた」
「怖い医者のいる病院とのギャップがすごかった。ここでは先生も看護師さんも笑っていた」
「患者さんとの握手に、医師の想いと関係性づくりの大切さを感じた」
と、生徒たちの感想は深く、鋭いものでした。

また、医療者からは「患者さんの“生きる”を支える医療を一緒に考えていこう」「つらい時も、寄り添う人がいることで再び立ち上がれる。そんな仕事だよ」と熱いメッセージが送られました。

 

おわりに:未来の医療を支える、あなたへ

体験を終えた高校生たちからは、「将来、誰かの支えになる医療者になりたい」「命の重みを受け止める仕事に就きたい」という声が多く聞かれました。
進路に迷う中での小さな一歩が、やがて確かな志につながる――そんなことを私たちも感じる一日でした。

栃木民医連では、こうした医療体験を今後も継続していきます。
またいつでも、診療所や薬局に会いに来てくださいね。