地域と子どもたちをつなぐ学習支援
目次
- 小学校でのボランティア活動を実施しました
- 「子どもたちの成長を地域で支えたい」診療所と学校の10年の歩み
- 夏休みの学習支援――広がる地域のつながり
- 参加者の声から――支える側の学びと気づき
- 医療と教育をつなぐ地域の力として
小学校でのボランティア活動を実施しました

栃木民医連に加盟する宇都宮協立診療所では、地域に根ざした取り組みとして、地元の小学校での学習支援活動に継続的に協力しています。今回は、宇都宮市立西が岡小学校で行われた夏休みの学習会に、医師・高校生・医学生など、多様な立場のボランティアが参加し、子どもたちと楽しく学びのひとときを過ごしました。
「子どもたちの成長を地域で支えたい」

診療所と学校の10年の歩み
協立診療所が地域の子ども支援に関わり始めたのは今から10年ほど前。当時、診療所では高齢者医療が中心でしたが、診療を通じて見えてきたのは、子どもたちの生活や健康面の課題でした。
「子どもの貧困」や「家庭での学習環境の差」などに対し、医療機関として何ができるのか。そんな問いのもとに立ち上がったのが、地域住民と共につくる“子ども食堂”でした。カレーをふるまい、宿題を持ち寄って語り合うひとときは、子どもたちとの信頼を育む時間となり、学校や地域との連携へとつながっていきました。
夏休みの学習支援――広がる地域のつながり

今回の学習会でも、先生からの呼びかけを受け、診療所職員をはじめ、奨学生の医学生や地元高校生などがボランティアとして参加しました。グループごとに自己紹介や交流を行いながら、子どもたちの宿題をサポートしたり、一緒に遊んだりする時間を過ごしました。
ボランティア後に振り返りを行い、グループごとの発表も行われました。あるグループでは、将来医師や教師を目指している学生たちが「進路の参考にしたくて参加した」と語り、別のグループでは「子どもと関わる機会が久しぶりでとても楽しかった」との感想もありました。
また、メキシコから一時帰国中の生徒も参加し、日本語と英語を交えながら懸命に自己紹介を行う姿に、会場からは温かな拍手が送られました。文化や言語の違いを越えた交流が実現した瞬間でした。
参加者の声から――支える側の学びと気づき

- 「子どもたちが本当にかわいくて癒された。弟よりもかわいかった(笑)」
- 「自分の進路に迷っている中で、医師も教師も経験してみたいと思って参加した」
- 「奨学生として医療の道を目指しているけど、実際に教えることの難しさと楽しさを感じた」
- 「子どもたちから元気をもらって、逆に自分が励まされた」
学習支援という名の通り、“教える”ことが目的の場でありながら、参加者自身が多くのことを学び、感じ取っている様子が印象的でした。
医療と教育をつなぐ地域の力として
今回のような活動は、単なるボランティアを越えて、地域で暮らす人々が互いに支え合い、未来を育む営みそのものです。
「診療所は医療機関であると同時に、地域の健康と成長を支える存在でもある」。この理念のもと、協立診療所は今後も地域の学校や団体と連携しながら、子どもたちの学びと育ちを応援していきます。
私たちは、医療と教育の垣根を越えて、「地域と子どもたちをつなぐ場づくり」を大切にし、次世代の成長を支える活動を続けていきます。

