栃木保健医療生協 第50回通常総代会を開催
― 創立50周年の節目を迎えて ―
2025年6月28日(土)、栃木保健医療生活協同組合(以下、栃木保健医療生協)の第50回通常総代会が、宇都宮市のライトキューブ宇都宮で開催されました。今回は創立50周年という大きな節目にあたる記念の総代会となり、県内各地から多くの総代や関係者が集いました。
開会に先立ち、長年組合活動に尽力された佐藤次雄総代の逝去に際して、黙祷が捧げられました。総代の定数104名のうち、所定の過半数を超える出席が確認され、議長団および各種委員会の選出を経て、正式に会がスタートしました。
組合の歩みとこれからを語る
関口真紀理事長は開会挨拶の中で、自らの人生と栃木保健医療生協の歴史を重ねながら、これまでの困難や挑戦を振り返りました。奨学生第1号として生協に関わった自身の経験を交えながら、設立当初からの奮闘、そして現在に至るまでの軌跡に触れ、参加者の心に深く届くメッセージとなりました。
特に憲法9条への言及と平和への願いには、医療生協としての原点である「いのちを守る」立場からの強い思いが込められており、創立50周年という節目にふさわしい、未来への指針となる内容でした。
議案審議と活発な発言
総代会では、2024年度の事業報告と決算、剰余金処分案の提案がなされました。ふたば診療所の増築や地域活動の展開、医療・介護の収益向上など、前進する取り組みの数々が報告されました。併せて、組合員の高齢化や医療制度の課題にも触れつつ、今後の持続可能な組織づくりが語られました。
討論では、各支部や診療所から多様な実践報告がありました。虹の杜における移動販売車を起点とした「金曜サロン」、佐野支部の「みんなの道草」、そして安蘇支部で25年にわたり続く「からさわ」など、それぞれの地域に根ざした取り組みが紹介され、居場所づくりや地域とのつながりの重要性が強調されました。
また、診療所スタッフからは、グリーフケアや子ども食堂を通じた世代を超えた交流と支援の報告もあり、医療と地域を結ぶ温かな実践が数多く共有されました。
50周年記念ロゴに込められた想い
総代会では、創立50周年記念ロゴを制作した組合員・渡辺さんへの感謝状贈呈も行われました。地域の診療所に親しみを持つ組合員としての視点で手がけられたロゴには、組合員と事業所が手を取り合って地域を支え合う姿が描かれており、温もりあるデザインに多くの共感が寄せられました。
渡辺さんは挨拶の中で次のように語りました。「小さい頃からとてもお世話になっている医療生協の記念のロゴに選んでいただき、デザイナーの端くれとしても大変光栄です。診療所には職員さんや患者さんの手作りのものが多くあって、温かさを感じてきました。このロゴにも、手描きのような親しみや、地域全体が手をつないでつながっているイメージを込めました。これからも医療生協の活動が広がっていくことを願っています。」
デザインの中には、栃木保健医療生協の中核施設である「協立診療所」の入口にあるマークをモチーフにした形が取り入れられています。中央に配置された2つの双葉は「ふたば診療所」を象徴し、笑顔の2人が手を取り合っている姿は、組合員と事業所が地域全体をつないでいく協同の姿を表現しています。全体に流れる柔らかいタッチと色使いは、温もりと親しみやすさを大切にする医療生協の理念そのものを映し出しており、「地域と共に育ち、支え合う」50年の歩みと、未来への希望を重ねた作品となっています。
栃木民医連として
栃木保健医療生協は、私たち栃木民医連の大切な仲間であり、地域に根ざした医療と組合活動を50年にわたり実践してきました。その歩みには多くの困難もありましたが、一貫して「いのちと暮らしを守る」という志を貫いてきた姿勢に、心から敬意を表します。
この記念すべき50周年の年が、次の未来への力強い出発点となるよう、私たちも共に歩みを進めていきます。