宇都宮協立診療所で職員による音楽演奏会を開催しました
~患者さんと地域の皆さんへ、音楽の癒しとぬくもりを~
2025年6月14日、宇都宮協立診療所にて、入院患者さんやそのご家族、さらには地域の皆さんを対象とした音楽演奏会が開催されました。
この演奏会は、職員の「音楽の力で誰かの心を癒したい」「医療の現場にも文化や心の豊かさを届けたい」という思いから生まれた取り組みであり、当日は40名を超える参加者が来場。診療所内にあたたかな音楽と笑顔が広がる、感動的な時間となりました。
多職種による連携と挑戦 ― 職員が自ら企画・運営
今回の演奏会を担ったのは、医師2名・看護師2名・県連事務局職員1名という異なる職種の5人の職員たち。日常はそれぞれの専門領域で活躍しているメンバーが、業務の合間をぬって練習を重ね、手づくりで演奏会をつくりあげました。
司会進行も職員が担当し、「小さなお子さんの声や動きも、この空間の一部です。どうぞ一緒に音楽を楽しんでください」と、来場者へあたたかく語りかける姿に、会場全体がふんわりと和やかな雰囲気に包まれました。
職員一人ひとりが「誰かの心に届く演奏を」と真摯な気持ちで向き合い、医療の現場に“文化”の息吹を届けた姿は、まさに多職種協働の理想を体現していたと言えるでしょう。
会場に広がる音楽と共感の時間
演奏会で披露された曲目は以下の通りです。
- やさしさに包まれたなら(荒井由実)
- さよならは言わない(小田和正)
- 帰ろう(藤井風)
- 上を向いて歩こう(坂本九)
- 見上げてごらん夜の星を(坂本九)
- ふるさと(唱歌) ※会場全体での合唱
どれもが幅広い世代に親しまれている名曲であり、来場者の中には自然と口ずさむ方や、懐かしさに目を潤ませる方の姿も多く見られました。
特に最後に披露された「ふるさと」は、職員の合図で会場全体が一斉に歌い始める形となり、音楽が人と人の心をつなぐ力を、改めて実感するひとときとなりました。
参加者からは、「病気で落ち込んでいたけれど、音楽に包まれて心が軽くなった」「生演奏を聴けるなんて思っていなかった。涙が出た」といった声が寄せられました。演奏後には、自然と拍手が湧き起こり、感動と感謝が交差する穏やかな空気に包まれました。
医療と地域、そして文化の交差点として
医療機関は、単なる治療の場であるだけでなく、人が“生きる”ことを支える場所です。今回の演奏会は、音楽という非言語のコミュニケーションを通じて、患者さんやそのご家族、地域の皆さんと職員との心の距離をぐっと近づける機会となりました。
このような文化的な取り組みは、患者さんのQOL(生活の質)の向上はもちろん、職員自身にとってもリフレッシュやチームワークの再確認につながる大切な営みです。今回の演奏会は、まさに医療と文化、そして地域を結ぶ“小さな架け橋”のような存在となりました。
今後も協立診療所では、医療の枠にとどまらず、人と人、心と心をつなぐ取り組みを大切にしてまいります。ご参加いただいた皆さま、そして演奏にご協力いただいた職員の皆さま、本当にありがとうございました。